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チェーン交換は「同じ長さに切る作業」ではなく、合うチェーンを選んで安全に戻す作業です
チェーン交換は、慣れると自宅でできる駆動系メンテナンスです。ペダルを踏む力を後輪へ伝える部品なので、交換できるようになると走りの軽さ、変速の気持ちよさ、通勤前の安心感がかなり変わります。
ただし、初心者がつまずく場所もはっきりしています。チェーンの速数を間違える。方向指定を見落とす。ミッシングリンクの対応速数を合わせない。古いチェーンが長すぎたのに、そのまま同じリンク数で切る。交換後に歯飛びが出たのに「新品だからなじむはず」と走ってしまう。こういう失敗は、変速不良だけでなく、チェーン外れや転倒につながります。
この記事では、クロスバイク、ロード寄りの街乗り自転車、外装変速のシティサイクルを中心に、チェーン交換の基本手順を説明します。6速から11速程度の一般的な外装変速を主な対象にし、12速、電動変速、E-bike専用チェーン、特殊なワイドレンジMTB、内装変速やシングルスピードの張り調整は深掘りしません。特殊規格やメーカー指定がある場合は、現車のマニュアルか自転車店の判断を優先してください。
この記事でできること・やらないこと
できること
交換判断から接続まで
交換時期の見分け、速数に合うチェーン選び、長さ調整、ミッシングリンクやピンでの接続まで扱います。やらないこと
特殊規格は断定しない
電動変速、12速専用手順、内装変速、シングルスピードの張り調整、メーカー指定工具の代用は深掘りしません。止める条件
不明点が安全に直結する時
速数、型番、接続部品の再利用可否が分からない時や、交換後に強い歯飛びが残る時は走りません。交換する前に、洗浄で済む状態か交換域かを分ける
チェーンが黒いだけなら、交換ではなく清掃と注油で戻ることがあります。油切れでキュルキュル鳴る、表面に軽い汚れが付いている、変速は普通に決まる。この程度なら、まず洗浄と注油を試す価値があります。
交換を考えるのは、チェーンチェッカーで伸びが交換域に入っている時、赤錆が広く出てリンクの動きが固い時、何度注油してもギシギシ感が戻る時、チェーンが横に大きくたわむ時、またはペダルを強く踏んだ時に歯飛びが出る時です。チェーンが摩耗したまま走ると、スプロケットやチェーンリングも削れます。チェーンだけ安く済ませるつもりが、後で駆動系一式交換になることがあります。
ここで大事なのは、歯飛びの原因をチェーンだけに決めつけないことです。新しいチェーンに替えた直後に歯飛びが強く出る場合、古いスプロケットが摩耗して新品チェーンとかみ合っていない可能性があります。リアディレイラーの調整ズレ、ディレイラーハンガーの曲がり、チェーンリングの歯の摩耗も候補です。交換後に症状が残るなら、無理に走らず原因を切り分けます。
チェックリスト
交換してよいかの入口チェック
交換候補
先に確認
店に相談
交換域かをチェーンチェッカーで見る
作業チェックリスト
- チェーンチェッカーで伸びを見た
- 固着リンクがないか確認した
- 錆びと汚れを分けて考えた
- 歯飛びがある場合はスプロケット摩耗も疑った
買う前に、速数・方向・接続方式を合わせる
チェーンは「自転車用なら何でも同じ」ではありません。見る順番は、スプロケットの段数、チェーンの型番、方向指定、接続方式です。後ろのギアが8枚なら8速用、11枚なら11速用というのが基本です。6/7/8速兼用のように幅広く対応する製品もありますが、9速、10速、11速、12速は幅や形状の違いが作業結果に出やすくなります。
段数は、後ろのスプロケットの歯車枚数を数えるのが一番確実です。シフターの表示だけに頼ると、ホイールやスプロケット交換歴がある車体でズレることがあります。古いチェーンの側面に型番が読めるなら、写真に撮っておきます。Shimano、KMC、SRAMなどで互換範囲が違うため、同じ速数でもメーカー指定を確認した方が安全です。
方向指定があるチェーンもあります。外側と内側が決まっていたり、QUICK-LINKの矢印をクランク回転方向へ向ける指定があったりします。向きが違うと変速性能が落ちるだけでなく、接続部が外れるリスクもあります。見た目で分からない時は、製品パッケージ、メーカー説明、現物の刻印を確認してください。
接続方式は大きく分けると、ミッシングリンクやクイックリンクでつなぐ方式と、コネクティングピンでつなぐ方式です。リンク式は作業が分かりやすい一方、対応速数と再利用可否を間違えると危険です。ピン式は指定ピンと対応チェーンカッターが必要です。どちらが上というより、買ったチェーンが指定する方法に合わせます。
買う前に速数と接続方式を確認する
作業チェックリスト
- 後ろのスプロケット段数を数えた
- チェーン型番または対応速数を確認した
- 方向指定の有無を確認した
- ミッシングリンクかピン接続かを確認した
必要な工具と消耗品
最低限必要なのは、交換用チェーン、チェーンカッター、接続部品です。リンク式ならミッシングリンクプライヤーがあるとかなり楽です。チェーンの長さを保持するチェーンフック、薄手の手袋、ウエス、チェーンオイルも用意します。交換判断から始めるなら、チェーンチェッカーも価値があります。
チェーンカッターは、安さだけで選ばない方がいい工具です。ピンをまっすぐ押せない工具だと、プレートを曲げたり、ピンを斜めに押したりします。特に10速以上の細いチェーンや12速チェーンでは、工具の対応速数が重要です。携帯工具に付いている小さなチェーンツールは応急用として便利ですが、自宅で初めて交換するなら、作業台で安定して使える単体工具の方が失敗しにくいです。
ミッシングリンクプライヤーは、リンクを外す時にも、はめる時にも使えます。手で無理に引っ張る、普通のペンチで横からこじる、リンクの再利用可否を確認せず何度も使う。このあたりがよくある失敗です。KMCのMissingLinkのように再使用可と不可が分かれる製品もあるため、リンク単体の説明を見て判断します。
工具を作業順に並べる
作業チェックリスト
- チェーンカッターを用意した
- 接続方式に合うリンクまたはピンを用意した
- リンク式ならプライヤーを用意した
- 交換後の注油用品を用意した
商品を選ぶときの比較材料
チェーン交換で買うものは、チェーン本体だけではありません。チェーン、接続部品、切断工具、測定工具、交換後の注油用品がつながって初めて安全に終わります。必要なものを分けると、買いすぎも買い忘れも減らせます。
街乗りや通勤なら、まずは速数に合う標準チェーンで十分です。雨の日も走る、屋外保管が多い、冬の融雪剤地域を走るなら、防錆や耐腐食仕上げのチェーンを候補にします。見た目を整えたい場合は黒チェーンやメッキチェーンも選択肢になりますが、色より速数互換が先です。
工具は、チェーンカッターを必須、ミッシングリンクプライヤーをリンク式の実質必須、チェーンチェッカーを交換判断用、携帯チェーンツールと予備リンクを出先の応急用品として分けると選びやすいです。チェーンクリーナーマシン、ディグリーザー、ローター保護カバーは交換作業の必須品ではありませんが、交換後の維持管理では役立ちます。
価格帯で見ると、まず必要なのはShimano CN-HG71、Shimano CN-HG601-11、KMC X8 EPTのような速数に合うチェーン本体です。メリットは作業の中心部品を確定できること、デメリットは速数違いだと取り付けても安全に使えないことです。価格差は表面処理、対応速数、同梱リンクで出ます。見るポイントはスプロケット段数、方向指定、接続方式です。向いている人は、今回の交換を確実に終わらせたい人です。理由は、チェーン本体の互換が外れると工具がそろっていても作業が成立しないからです。
工具側の候補はPark Tool CT-3.3、Park Tool MLP-1.2、Park Tool CC-4、KMC MissingLink 11速用です。価格帯は携帯用、家庭用、測定用で分かれます。メリットは切る、外す、測る作業の失敗を減らせること、デメリットは対応速数が合わない工具を買うと使えないことです。消耗品ではAZ 自転車用チェーンルブとPark Tool CM-5.3を、交換後の注油と洗浄を続けたい人向けの候補として扱います。
チェーン交換まわりの買い方
まず必要
今回の交換を確実に終わらせたい人。
- メリット
- 速数と接続方式が合えば作業の中心になる。余計な工具を買いすぎずに済む。
- 注意点
- 速数違い、方向指定見落とし、再使用不可リンクの再利用は避ける。
- 価格差の理由
- チェーンの速数、表面処理、同梱リンク、メーカー指定で価格が変わる。
- 見るポイント
- スプロケット段数、チェーン型番、対応リンクを確認する。
- 候補
- 6/7/8速用チェーン、11速用チェーン、防錆チェーン、黒/メッキ仕上げチェーン。
- 理由
- チェーン本体の互換が合わないと、工具がそろっていても作業は安全に終わらないため。
失敗を減らす
初めて自宅で交換する人。
- メリット
- まっすぐ切りやすく、リンクをこじらず外せる。作業中にチェーンが落ちにくい。
- 注意点
- 工具の対応速数を確認する。携帯工具だけで初回作業を済ませようとしない。
- 価格差の理由
- 押しピンの精度、ハンドルの安定感、対応速数、リンク脱着機能で差が出る。
- 見るポイント
- 使うチェーンにチェーンカッターとプライヤーが対応しているか見る。
- 候補
- チェーンカッター、ミッシングリンクプライヤー、チェーンフック、携帯チェーンツール。
- 理由
- 工具が弱いとチェーンを切った後に戻れず、接続不良にもつながるため。
今後も管理
交換時期を自分で判断したい人。
- メリット
- 早すぎる交換と遅すぎる交換を避けやすい。新品チェーンを長持ちさせやすい。
- 注意点
- オイルや洗浄剤をブレーキ面へ付けない。測定値だけで歯飛び原因を断定しない。
- 価格差の理由
- 測定精度、油膜の持ち、汚れにくさ、洗浄のしやすさで差が出る。
- 見るポイント
- 通勤、雨天、屋外保管など使い方に合う用品を選ぶ。
- 候補
- チェーンチェッカー、チェーンオイル、ディグリーザー、チェーンクリーナーマシン、ローター保護カバー。
- 理由
- 交換後の寿命は、測定と注油、洗浄時のブレーキ汚染防止で大きく変わるため。
作業前に写真を撮り、チェーンの通り道を残す
チェーンを外す前に、リアディレイラー周辺、フロントチェーンリング周辺、チェーンの表裏、ミッシングリンクの位置を写真に撮ります。あとで「プーリーのどちら側を通すのか」「チェーンがガイドプレートの外を通っていないか」で迷った時、作業前の写真が戻る場所になります。
リアディレイラーには、チェーンが通る細い隙間があります。プーリーの間を通すだけなら簡単に見えますが、ガイドプレートの外側を通してしまうと、チェーンが擦れたり変速しなかったりします。初心者ほど、外す前の写真を撮っておいた方が早いです。
作業は、変速を前後とも小さいギア側へ寄せてチェーンの張りを弱めてから始めます。ディスクブレーキ車ならローターに油や手の汚れを付けないよう注意します。チェーンがかなり汚れている場合は、触った手でブレーキ面を触らないようにします。
外す前の通り道を写真で残す
作業チェックリスト
- リアディレイラー周辺を撮影した
- ミッシングリンクの有無を見た
- 前後とも小さいギア側に寄せた
- ブレーキ面に油が付かないよう作業場所を決めた
古いチェーンを外す
ミッシングリンクやクイックリンクがある場合は、リンクを探してプライヤーで外します。リンクは汚れに埋もれて見つけにくいことがあります。チェーンをゆっくり回し、他のリンクと形が違う場所、刻印やプレート形状が違う場所を探してください。
リンクが見つからない、またはピン接続のチェーンなら、チェーンカッターでピンを押し出して外します。この時、すでに入っている接続ピンのすぐ近くを切らないようにします。チェーンカッターの押しピンがチェーンピンの中央に当たっているか確認し、斜めに力をかけません。硬いからといって工具をこじると、プレートや工具を傷めます。
古いチェーンを外したら、すぐ捨てずに残します。長さ合わせの基準に使えるからです。ただし、古いチェーンが正しい長さだったとは限りません。交換前に大ギア同士へ入れてリアディレイラーが極端に伸びていた、小ギア同士でチェーンがだるだるだった、変速時にチェーンが落ちやすかった。こういう症状があった場合は、古いチェーンの長さをそのまま信用しすぎない方が安全です。
リンク式かピン式かを見て外す
作業チェックリスト
- リンク式ならプライヤーで外した
- ピン式ならチェーンカッターをまっすぐ当てた
- 外したチェーンを長さ比較用に残した
- 接続部品を再利用できるか決めつけていない
新しいチェーンの長さを決める
一番分かりやすいのは、古いチェーンが正しい長さだった前提で、新しいチェーンを横に並べて同じリンク数にする方法です。並べる時は、端の形を合わせます。外プレート同士、内プレート同士がずれていると、半リンク分のズレで切る場所を間違えます。古いチェーンは摩耗で少し長く伸びているので、全長ではなくピンの数、リンクの位置で合わせます。
古いチェーンの長さが怪しい場合、またはスプロケットやチェーンリングを同時に変えた場合は、大きいチェーンリングと一番大きいスプロケットへチェーンを直接かける方法で確認します。この時、リアディレイラーには通さず、チェーンリングと最大スプロケットに回して、つながる場所から余裕を足します。一般的な外装変速では、ここから2リンク分を足す考え方がよく使われます。ただし、1xの大きなローギア、フルサスMTB、メーカー指定の長さ決めがある場合は、その車体の手順を優先します。
切る前に、接続方式も考えます。ミッシングリンクでつなぐなら、両端がリンクを受けられる内プレートになる必要があります。ピン式なら、指定ピンを入れる位置と向きがあります。切ってから「外プレート同士でつながらない」と気づくと、チェーンが短くなりすぎることがあります。迷ったら一度長めに残し、メーカー手順や自転車店で確認する方が安全です。
切る前にリンク数と端の形を合わせる
作業チェックリスト
- 古いチェーンが正しい長さだったか考えた
- 端の外プレートと内プレートを合わせた
- ミッシングリンク分を考慮した
- 切る位置を一度確認してから工具を当てた
新しいチェーンを通して接続する
新しいチェーンは、フロントチェーンリング、リアスプロケット、リアディレイラーのプーリーを正しい順番で通します。作業前に撮った写真を見ながら、ガイドプレートの内側を通っているか確認します。プーリーの横を通ってしまうと、最初は気づかなくても走行時に強く擦れます。
ミッシングリンクでつなぐ場合は、左右のリンクを内プレートに差し込み、チェーンの上側にリンクが来る位置で軽くペダルを踏む、または専用プライヤーでロックします。ShimanoのQUICK-LINKのように矢印方向が指定されるものは、クランクの回転方向に合わせます。KMCなどのMissingLinkは、再使用可否と対応速数を確認します。取り付けた後は、リンク部を手で曲げて固いところがないか見ます。
コネクティングピンでつなぐ場合は、指定ピンを指定方向から入れます。ピンが中心に入り、プレートから極端に出ていないか確認します。ピンを押しすぎた、斜めに入った、プレートが曲がった、リンクが固くて戻らない。こういう時は、そのまま走らずやり直しや店相談を選びます。
リアディレイラーの通り道を確認してつなぐ
作業チェックリスト
- チェーンがプーリーの正しい側を通っている
- 方向指定があるチェーンは向きを合わせた
- リンクまたはピンが対応品である
- 接続部に固い動きがない
交換後は、いきなり走らず全段を軽く確認する
接続できたら、スタンド上または後輪を浮かせた状態で、クランクをゆっくり回します。いきなり強く踏まないでください。接続部がプーリーを通る時に引っかからないか、チェーンがガイドプレートへ擦れていないか、チェーンリングから浮いていないかを見ます。
次に、変速を一段ずつ動かします。トップ側、ロー側、前変速がある車体ならフロント側も確認します。全段を完璧に調整する記事ではありませんが、新しいチェーンにした直後に大きく変速がズレる場合は、ワイヤー調整だけでなく、スプロケット摩耗やディレイラーハンガー曲がりも疑います。
最後に、短い距離を低い負荷で試します。急坂、ダンシング、強い踏み込みはまだしません。軽く踏んでカチッと抜ける、特定のギアだけ歯飛びする、ペダルに周期的な引っかかりがある、接続部だけ固い。こういう症状がある時は、通勤や長距離へ出る前に止めます。
走る前に接続部と変速を確認する
作業チェックリスト
- 接続部が確実にロックされている
- クランクを回して引っかかりがない
- 全段を軽く変速できる
- 強く踏む前に歯飛びがないか確認した
よくある失敗と戻る場所
チェーン交換で多い失敗は、作業の最後ではなく最初に原因があります。速数違いのチェーンを買った、接続リンクが合っていない、古いチェーンが長すぎたのにそのままコピーした、チェーンがリアディレイラーのガイド外を通った。この4つは、手順をていねいにしても直りません。戻る場所を決めて、一つずつ確認します。
歯飛びが残る場合は、まずどのギアで起きるかを見ます。特定のリアスプロケットだけで飛ぶなら、その歯が摩耗している可能性があります。複数のギアで不安定なら、チェーン長、ディレイラー調整、ハンガー曲がり、接続部の固さを見ます。フロント側でチェーンが浮くなら、チェーンリング摩耗やチェーンの向きも候補です。
チェーンが短すぎると、大きいチェーンリングと大きいスプロケットの組み合わせでリアディレイラーが伸び切ります。最悪の場合、ディレイラーやハンガーを破損します。長すぎると、小さいギア同士でチェーンがたるみ、チェーン落ちや変速不良が出ます。どちらも「少し走ればなじむ」問題ではありません。
交換後に違和感がある時の戻り先
強く踏むとカチッと抜ける
確認すること: スプロケット摩耗、チェーン長不適合、接続部の固さを疑い、どのギアで起きるか確認する。
戻る場所: 摩耗が強ければスプロケット交換や店相談へ進む。
止める条件: 立ちこぎや坂で連続して歯飛びする。
リアディレイラー周辺で擦れる
確認すること: チェーンの通し間違い、ガイドプレート外通しがないか見る。
戻る場所: 作業前写真と見比べ、プーリーの正しい通り道へ戻す。
止める条件: プレートに削れ跡がある、チェーンが斜めに引っかかる。
接続部だけ固い
確認すること: ピンの入り方、リンクのロック不足、プレート変形を確認する。
戻る場所: 接続部を曲げて動きを確認し、指定手順でやり直す。
止める条件: プレートが曲がっている、リンクが外れそうに見える。
一番大きいギアへ入れると張りすぎる
確認すること: チェーンが短すぎないか、大ギア同士でリアディレイラーが伸び切らないか見る。
戻る場所: 無理に変速せず、長さ決めをやり直す。
止める条件: リアディレイラーが伸び切る、異音が出る。
出先の応急対応は、通常交換とは分けて考える
通勤やサイクリングでチェーン切れに備えるなら、予備ミッシングリンク、携帯チェーンツール、薄手手袋を小さくまとめておくと安心です。ただし、出先の修理は「帰るための応急」です。チェーンが切れた原因が強い摩耗、曲がったディレイラー、落車、巻き込みなら、リンクを足して走り続ける判断は危険です。
予備リンクは、必ず自分のチェーン速数に合うものを選びます。8速用、10速用、11速用、12速用を混ぜません。再使用可のリンクでも、何度でも使える部品ではありません。メーカー指定が分からないリンクを工具箱に入れておくより、対応速数が明確な予備を一つ入れておく方が安全です。
携帯チェーンツールは、硬いピンや細いチェーンでは扱いにくいことがあります。自宅で一度練習していない工具を、夜の路上や雨の中で初めて使うのはかなり難しいです。出先用に持つなら、少なくとも古いチェーンで切る、リンクを付ける、工具を戻す流れを試しておくと失敗が減ります。
予備リンクは速数を合わせて携帯する
作業チェックリスト
- 予備リンクの対応速数を確認した
- 携帯チェーンツールの使い方を試した
- 手袋や小袋を用意した
- 応急後は強く踏まず点検する
交換後の注油と洗浄で寿命が変わる
新品チェーンは、交換したら終わりではありません。初期状態の油分、走行環境、使うチェーンオイルによって汚れ方が変わります。交換後は、チェーンの外側に余分な油が残っていれば拭き取り、必要に応じて用途に合うチェーンオイルを薄く差します。大事なのは、リンク内部に必要な潤滑を残し、外側の余分な油を拭くことです。
雨天通勤ならウェット寄り、乾いた街乗りならドライ寄り、汚れを抑えたいならワックス系も候補になります。ただし、どのオイルでも付けすぎは汚れを呼びます。ディスクブレーキ車では、ローターやパッドに油分が付くと制動力が落ち、鳴きの原因になります。リムブレーキ車でも、リムのブレーキ面に油を付けないよう注意します。
チェーンクリーナーマシンやディグリーザーは、汚れたチェーンの清掃には便利です。ただ、新品チェーン交換直後に強い溶剤で必要以上に脱脂する必要はありません。洗浄剤を使う時は、ブレーキ面を保護し、洗浄後に乾燥と注油をセットで行います。強いアルカリ系や酸性の錆取り剤をチェーンの標準洗浄にするのは避けます。
注油後は外側を拭き取り、ブレーキ面へ飛ばさない
作業チェックリスト
- 注油後に余分な油を拭いた
- ローターやリムに油が付いていない
- 雨天用か乾燥路用か用途を分けた
- 洗浄後は乾燥と注油まで行った
店に依頼した方がよいケース
チェーン交換は自宅でできる作業ですが、店に依頼した方が早いケースもあります。12速や電動変速、E-bike、メーカー指定の特殊チェーンは、指定工具や接続部品が違うことがあります。チェーンリングやスプロケットも摩耗している場合は、チェーンだけ交換しても直らないため、駆動系全体を見てもらう方が結果的に安く済むことがあります。
相談する時は、車体全体を持ち込むのが基本です。古いチェーンだけ、または新しいチェーンだけを持って行っても、スプロケット段数、摩耗、変速調整、ハンガー曲がりが確認できません。交換後に歯飛びしたギア、走行距離、雨天使用の有無、最近転倒したかを伝えると、原因を絞りやすくなります。
持ち込み部品で作業を依頼する場合は、店が対応できるか先に確認してください。速数違い、偽物、不明メーカー、接続部品不足、説明書なしの部品は断られることがあります。安全に関わる部分なので、店の判断を優先します。
FAQ
チェーンは同じ速数ならメーカーを混ぜてもよいですか
一般的に互換する組み合わせもありますが、すべてを同じ扱いにはできません。特に12速、SRAM Flattop、E-bike用、メーカー専用品は指定が強いです。迷ったら現車と同じメーカー・同じ速数・同じ接続方式を選ぶか、店に確認してください。
ミッシングリンクは再利用できますか
製品によります。再使用可のものも、再使用不可のものもあります。再利用できる製品でも回数や状態に制限があります。チェーン交換時は、新しいリンクを使うのが安全です。外したリンクを何度も使う前提にはしないでください。
古いチェーンと同じ長さに切れば必ず正解ですか
古いチェーンが正しい長さだったなら有効です。ただし、前の作業で長さが間違っていた、スプロケットやチェーンリングを変えた、リアディレイラーを変えた場合は、そのままコピーすると間違えることがあります。交換前に大ギア同士、小ギア同士の状態を見ておくと判断しやすいです。
チェーン交換後に歯飛びするのはなぜですか
よくある原因は、摩耗したスプロケットと新品チェーンがかみ合わないことです。ほかに、チェーン長、接続部の固さ、変速調整、チェーンリング摩耗、ハンガー曲がりもあります。強く踏むと抜ける状態で走るのは危険です。
チェーンオイルは交換直後に必要ですか
必要です。ただし、付けすぎず、余分な油を拭き取ります。新品チェーンに付いている油分の扱いは製品や使い方で変わりますが、走行後の維持管理として注油と拭き取りを習慣にすると寿命が伸びます。ブレーキ面には絶対に付けないよう注意してください。
作業後チェック
最後に、走行前チェックをまとめます。チェーン交換は、つながった瞬間ではなく、低負荷で変速と接続部を確認できた時に終わりです。
チェックリスト
走り出す前の最終チェック
接続部
変速
走行判断
参考にした情報
- メーカー公式マニュアル: QUICK-LINKの扱い
- メーカー公式マニュアル: チェーン整備
- メーカー公式マニュアル: 基本操作と安全確認
- メーカー公式情報: チェーン長の確認
- 整備情報: 外装変速車のチェーン交換
- 整備情報: チェーン長の決め方
- メーカー公式情報: MissingLink
まとめ
チェーン交換は、作業そのものよりも、買う前の確認と交換後のチェックで差が出ます。速数、方向指定、接続方式が合っていること。古いチェーンの長さをただ写すのではなく、正しい長さだったか考えること。接続部が確実に動き、交換後に歯飛びや異音がないこと。この3つがそろえば、初心者でも安全に近づけます。
反対に、速数が分からない、接続部品の再利用可否が分からない、交換後に歯飛びが残る、リアディレイラー周辺の通り道に自信がない。こういう時は、走る前に止めてください。チェーンは小さな部品に見えますが、外れると転倒につながる部品です。迷った時に止まれることも、チェーン交換の大事な技術です。